学校では教えてくれない日本語の秘密/土屋秀宇

CONTENTS

なぜ「地面」（ちのめん）を「じめん」と書くのか？
なぜ「世界中」（せかいじゅう）と「世界中」（せかいぢゅう）が存在するのか？
矛盾だらけの現代日本語の謎を解き明かす！！

現代日本語が抱える矛盾の多くは、言語の自然な変化の中で生まれたものではありません。
あるときは時の権力者が、またあるときは「知識人」が、あるときは外圧により、またあるときは「国」が、
それぞれの意図を持ってねじ曲げ、形を変えてしまったのです。
これから始まるのは歴史に翻弄されながらもへこたれずに生きてきた愛すべき日本語の物語です。
学校では決して教えてもらえない、日本語のお話です。

（―まえがきより）

目次

• まえがき
• プロローグ あなたは日本語が変なことに気づいていますか？
  • 「鼻血」は「はなぢ」なのに、どうして「地面」は「じめん」なのか？
  • 火によってとけるから「熔岩」なのになぜ「溶岩」と書くのか？
  • 素朴な疑問！なぜローマ字が事務教育に組み込まれているのか？
• 第一章 あの有名人が漢字を廃止しようとしていた？
  • 一円切手の人、前島密が将軍慶喜に漢字廃止を建白！
  • 新井白石も福澤諭吉も漢字制限派だった！
  • わずか二六文字に幻惑された江戸・明治のインテリ層
• 第二章 「外国に追いつけ」が主流の中で翻弄された国語
  • 書き言葉と話し言葉を統一せよ！携帯メールの原点は明治時代にあり？
  • かな派、ローマ字派
    漢字廃止を主張する二大派閥が誕生！
  • ”妖怪博士”も「異議あり！」
    「漢字擁護派」が反論を開始！
  • 小学校に「国語」が登場したのはいつ？その目的には何があった？
  • これじゃまるで漫画!? 大顰蹙の「棒引き字音仮名遣い」
• 第三章 漢字廃止に連動する「かなづかい」の論争勃発！
  • ”柔道の祖”嘉納治五郎も参戦!?
    文部省「国語調査委員会」って何？
  • 国語施策の「官」のリーダー
    上田萬年を知っていますか？
  • 歴史的仮名遣いをなくすな!!
    鴎外・龍之介も猛反対！
• 第四章 近代国家に漢字はいらない？
  • 敗戦、復興・・・そして漢字狩りが始まった！
  • これはGHQの陰謀か!?
    国語改造計画がスタート！
  • 志賀直哉の妙案？
    公用語をフランス語にせよ！
  • 『路傍の石』の作者がルビ廃止を強硬に主張！
  • GHQが子供たちを実験に使った!?
    日本語がどんどん変わってゆく・・・！
• 第五章 何か変？ゆがんだ国語が続々誕生！
• 第六章 まだまだ続く ゆがんだ国語!!
• 第七章 「現代かなづかい」が人々を混乱させた！
• 第八章 戦後、ついに国語問題大論争が勃発！
• 第九章 日本語は今も狙われている？
• 第十章 国語再生の鍵を求めて
• エピローグ 国語が変われば、日本は変わる

著者 土屋秀宇（つちやひでを）
NPO法人 日本漢字教育振興協會理事長。世田谷区日本語教育特区「世田谷の学校から美しい日本語を全国へ」小学校作業部会長。
船橋市立法典東小学校校長時代に手掛けた実践研究「自ら学ぶ力を育てる漢字指導」が、第四十三回讀賣教育賞を受賞。小・中学校の校長を歴任するなかで自閉症児や知的障害児への漢字指導にも力を入れ成果をあげる。また全国の小学校などで児童から教育関係者を対象に、「楽しい漢字教室」の出前授業などを実施。漢字教育指導の改善を訴えながら、正しい国語教育の普及に努めている。